哲学の道 ホタル舞う清らかな水路

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 《思索にふける散策も楽し》

 「疏水(そすい)分線」。行政用語では、味も素っ気もない。京都の東に続く緩やかな東山三十六峰のふもとを、南から北に流れる琵琶湖疏水支流。その流れに沿って南の若王子(にゃくおうじ)神社から北の銀閣寺まで続く約1.5キロの小道をこう呼ぶ。一般には、「哲学の道」として知られている。四季を通じて散策路としてにぎわうこの小道、5月下旬から6月にかけてはゲンジボタルが訪れた人々の目を楽しませた。

 この石畳の哲学の道、名前の由来は複数ある。だが、管理する京都市によると、いつごろから哲学の道と呼ばれるようになったかという資料は残っていないという。
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 ■名前の由来は諸説

 「日本を代表する哲学者で、近くにある京都大学の教授だった西田幾太郎(きたろう、1870~1945年)が好んで歩き、思索にふけったことから哲学の道とよばれるようになったという話。ほかにも、ドイツのハイデルベルクを流れるネッカー川の岸にゲーテやニーチェも散策したという『哲学の道』があり、ドイツ哲学にあこがれた京大生たちが名付けたという話もありますが、いずれも定かではありません」

 京都市上下水道局総務課の広報担当、桑原秀喜さん(34)に調べてもらった回答がこうだった。

 由来は定かではないが、実際に歩いてみると、静かで、自然にあふれ、哲学者たちが好んで歩いたということが、現実味を帯びてくる。

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 ■春は花見でにぎわい

 好天に恵まれた平日の昼過ぎ、哲学の道を歩いた。

 銀閣寺橋あたりは観光客、特に修学旅行生であふれていた。しかし、混雑していたのはこの付近だけ。南に進むと、散策する人も数えるほどだった。

 「哲学の道は桜並木で、春の花見の季節は多くの人でにぎわいます」

 今や桜の名所になっていると桑原さんはいう。

 春だけではない。秋ももちろん。観光シーズンの休日はガイドブックを手にした観光客で、ごった返すときもあるという。

 その影響でか、近年、桜の元気がなくなってきている。京都市上下水道局では桜の根っこの上を人が歩いて、傷つけないように植栽を進めているという。

 「老齢化で仕方がないのですが、少しでもダメージを与えないように、今も400メートルほどを立ち入り禁止にしています」


 界隈(かいわい)には、銀閣寺や南禅寺、紅葉で有名な永観堂など見どころも多いが、カフェや洋食屋、有名うどん店、オリジナル雑貨店など魅力的な店も並んでいる。



■疏水 
正確には琵琶湖疏水だが京都の人は単に疏水と呼ぶ。明治期に琵琶湖(滋賀県)から京都に引かれた水路で、舟運・発電・上水道・潅漑(かんがい)用水が目的だった。現在は京都市に上水を供給するのが主目的となっている。1885年に着工。始めに掘られた大津市三保ケ崎から京都市東山区蹴上(けあげ)までの第1疏水(1890年完成)、次いで掘られた先の水路にほぼ沿う全線暗渠(あんきょ)の第2疏水、南禅寺境内を横切って哲学の道に沿って流れて堀川に至る疏水分線などがある。
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by madame-f | 2010-06-24 07:03 | お気に入り | Trackback | Comments(0)

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